新しい展開のレンタカー
東邦ガスのOさんはガス会社のエンジニアでありながら、天然ガス自動車の試作、改造に最初の段階から取り組みも日本での技術開発の一部始終を見てきた。
Oさんの経験と意見にはじっくりと耳を傾ける必要がある。
以下、そのインタビューによるものである。
MOCD気圧という高圧ガスを使用している。
それに天然ガスは可燃性ガスです。
そうしたガスの取り扱いには、自動車メーカーよりガス会社のほうがノウハウを持っています。
あと数年間はガス会社が関与して行かなければいけないと考えています。
いま現在、天然ガス自動車のトラブルも発生してますし、自動車メーカーも市場のこうした実態を完全には掴んでいないという印象が強いのです。
新しい耐久性に係る部品のトラブルなども出てきています。
そうした問題をガス会社が集め、自動車メーカーにフィードバックするシステムをつくる必要があります。
自動車ディーラーのサービス体制も完蟹とはいえず大きな問題です。
zo車についてよく知りませんから、起きてもおかしくないのです。
アメリカでは天然ガスのタンクのバースト事故が報告されています。
複合素材の容器ですが、バッテリー液が漏れ出していてそれで腐食していたとか、バスに積まれていたタンクが縁石にこすられて傷が付いていたとか、そうしたことによる事故例があるようです。
バスの屋根に積むタンクに欠陥があり、それが原因で倒産したタンクのメーカーもありました。
そうした高圧タンクについては、日本では経済産業省の所管でも自動車整備工場が悩む問題なのです。
自動車整備を所管しているのは国土交通省ですからね。
これからアメリカのように天然ガス自動車がたくさん走るようになるとも自動車メーカーからトラブルの情報を取りながら、メーカーに私共のノウハウを提供するということをして行かなければなりません。
私共にはこれからもして行く仕事がヤマほどあります。
これからそろそろ初期の頃の天然ガス自動車が廃車の時期を迎えます。
自動車会社の天然ガス自動車についての認識が甘い現状でもそのまま解体業者に渡ってプレスされたら、昔のLP車のように事故につながる可能性も考えられます。
まだまだガス会社にはしなければならないことがたくさんありも安全にはガス会社の道義的責任があります。
政府は西暦二〇一〇年に天然ガス自動車を100万台走らすと言っています。
地方にもどんどんcNG車が増えることを考えると、いまこそ地道な確実なサービス体制を拡充していく努力が必要なのではないでしょうか。
整備ミスによるトラブルが予想されます。
また、メーカーさんには本当に効率のいいエンジンを開発してほしいですネ。
最近はガソリン車もドンドン技術開発が進んで燃費も改善されていますので、現状では最新のガソリン車とくらべるとトータルでみたら二酸化炭素の排出量もトントンのレベルです。
自動車はとんでもない過酷な環境のなかで走ることもあります。
ガス会社はまだまだお守りしなければいけない。
改造車の天然ガス自動車はいま現在、魅力ある自動車とはいえません。
しかしH技研のシビックGXや日産のADバンなど、最初から生産ラインに乗った型式認定車は物凄い。
車載コンピューターには学習機能までありますからね。
いま、自動車会社はガスの熱量が低い地区には売らないということもありますが、学習機能がある最新式の天然ガス自動車には売ります。
ガスでも調子が悪くなることはなくそうした地域的な問題も今後、解決して行かなければなりません。
東邦ガスは天然ガス自動車の1号車を昭和六十年に独自に試作し、いま、関連会社で改造車を販売していますが、なぜ、ガス会社グループが自動車を作って販売するのですか。
A・最初は、自動車メーカーが売ると価格が非常に高く、また、信頼性がなかったからなのです。
ガス会社のほうがガスの取り扱いにはノウハウがあるという自信がありました。
それはいまでも変わりはありません。
当時、私はヒートポンプに使う定置型ガスエンジンを担当していましたから、自動車エンジンを利用できないかという思惑もあったわけです。
Tとの単発の共同開発をやったり2号車は、当社独自でハイラックスしたのです。
北米では天然ガス自動車を作るベンチャービジネスが何社かあって一般に販売していました。
石油代替燃料車としてです。
この車はTさんにも評価してもらいましたが、その結果は、「そこそこは走るけど問題はあるね」(T)というものでした。
本当の低公害車にするのは難しいという評価です.ステップモーター空燃比調整方式といって吸気の通路の断面積を段階的に変える方式です。
しかしベンチャービジネスですから、倒産したりするとどうしようもない。
燃料供給システムはブラックボックスなのです。
それで平成三年までに独自にTのカローラバンの天然ガス車を作り出すことになったのですが、ガス会社が自動車製造に挑戦するのですから、それは大変でした。
登録とか、大臣認定とかありますものね。
そうです。
試作車を公道を走らせるためには、中部運輸局の認可をえて、はじめて走らせることができるのです。
しかし当時は、排ガス検査をどこに持ち込んだらいいのかも知らなかった。
運輸局側ではガソリン車の排ガス基準をクリアしていればいいということになって、テストを受けたんですが、ことごとく失敗です。
一回の検査が25万円ほどかかりました。
結局、Tさんに泣きついたのです。
そうしたら日本自動車研究所を紹介してくれた。
ここでいろいろとやってみた結果、「天然ガス自動車専用の触媒を付けなければクリアしないでしょう」ということになったのです。
昭和六十年から平成元年のあいだの話です。
それで定置式エンジンでお付き合いのあったキヤタラ工業(現キヤタラ)に持ち込んで、白金、パラジウム、ロジウムを配合したいい触媒を試作しました。
その配合は私が考えました。
当時、ガソリン車用の触媒が2万円でしたが、20万円の限度いっぱいのコストです。
白金は触媒を長持ちさせるのですが、ガソリン車用の20倍の3グラムも入れました。
パラジウムはメタンを分解します。
ロジウムは価格変動がはげしい希少金属で、コストは相当かかりました。
この触媒は、いま、自動車メーカーの数社がこの触媒を使っています。
そうして平成3年、独自開発したカローラバンができたのです。
そのいきさつはガソリン車をLPG車に改造する神戸の専門メーカーの協力をえて、M自動車のLPG車のコンピューターを組み込んだら、結構巧くいったのです。
そのメーカーはMのガソリン車をLPG車に改造するノウハウを持っていたのですね。
しかし最初は、M系の会社ですから、Tのカローラバンの改造はできないと断られてしまったのですよ。
しかしそこしかないと思って何回も足を運びました。
たまたまMの役員が来ていたので、直接お願いすると、「数台でしょ。
いいですよ」ということになって。
完成した天然ガス車はそこそこ走れるし、排ガス対策も国内で最高の水準でクリアしていました。
改造コストも国内でl番安かった。
それと比較すると、カナダ、アメリカなど海外のレベルはたいしたことないなと思いましたね。
しかし中部運輸局の認可は「使用者限定」というもので、l股の人は乗れない.ガス会社限定です。
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